(1) | 熱エネルギーが可燃性の粉じんに与えられると、粉じん粒子表面の温度が上昇します。 |
(2) | 粉じん粒子表面の分子が熱分解・乾留作用により気体(可燃性ガス)となります。 |
(3) | この気体が空気(酸素)と混合することにより爆発性混合ガスが生まれ、着火して燃焼が起こり、この燃焼が浮遊粉じんに伝播していくことで爆発が発生します。 |
(4) | 浮遊粉じんで爆発(第一次爆発)が起こると、その爆発エネルギーにより堆積粉じんが巻き上げられ、大規模な第二次粉じん爆発が発生し、大災害となります。 |
項目 | 一般的傾向 |
粉じんの性質 | ・酸素と反応しやすいものほど爆発しやすい。 ・可燃性ガスを発生させやすいものほど爆発しやすい。 ・発熱量が高いものほど爆発しやすい。 ・不活性成分が少ないものほど爆発しやすい。 ・粒子径が小さいものほど爆発しやすい。 ・比表面積が大きいものほど爆発しやすい。 ・水分が少ないものほど爆発しやすい。 ・温度が高いほど爆発しやすい。 ・浮遊・飛散するものほど爆発しやすい。 ・爆発可能濃度の範囲では濃度が高いほど爆発しやすい。 |
ふん囲気 | ・酸素濃度が高いほど爆発しやすい。 ・不活性ガスが少ないほど爆発しやすい。 ・湿度が低いほど爆発しやすい。 ・温度が高いほど爆発しやすい。 ・圧力が低いほど爆発しやすい。 ・スペースが広いほど爆発しやすい。 |
着火源 | ・熱に変わりやすいものほど爆発しやすい。 ・持続するものほど爆発しやすい。 ・温度が高いほど爆発しやすい。 |
項目 | 粉じん | 工程 |
プラスチック | フェノール樹脂 ポリスチレン樹脂 ABS樹脂 ポリプロピレン ポリエチレン |
・粉砕機、サイクロン ・射出機、温風乾燥機、サイクロン、バグフィルター、混合装置、 ストレージビン ・乾燥機、回収機 ・バグフィルター、ストレージビン ・ドライヤー |
医薬・農薬 染料・顔料 |
各種医薬品 各種農薬・殺虫剤 各種染料 |
・スプレードライヤー、粉砕機、コレクタダイナミックドライヤー ・ロータリードライヤー、マイクロウェーブドライヤー スプレードライヤー、バグフィルター、回収機 ・粉砕機、混合機 |
接着剤 | 合成糊料 デキストリン |
・粉砕機 ・粉砕機、炉、混合工程 |
食料 | コーンスターチ 小麦粉 ココア・チョコレート 砂糖 |
・ロータリードライヤー、バケットエレベーター、サイロ、 バグフィルター、サイクロン ・粉砕機、サイクロン、ロータリードライヤー、スプレードライヤー サイロ ・グラインダ、サイクロン、バケットエレベーター、集じん室、 ストレージビン ・粉砕機、ふるい分機、ホッパ、バグフィルター、静電沈積器 |
飼料 | 穀粉類 | ・乾燥機、サイロ、バケット、エレベータ、回転ドラム |
木材 | 木粉、紙粉 | ・粉砕機、ロータリードライヤー、サイクロン、ストレージビン シュレッダ |
金属加工 | 多種 | ・研磨、切断(プラズマ、レーザー機械的切断)、粉粒体プレス、溶接、 ブラスト |
試験項目 | 試験内容 |
爆発下限濃度試験 | 粉じん爆発のし易さを確認します。値が低いほど爆発しやすくなります。 |
最小着火エネルギー試験 | 粉じん爆発の着火のし易さを確認します。値が低いほど静電気での着火の危険性が高くなります。 |
爆発圧力・圧力上昇速度試験 | 粉じん爆発の激しさを確認します。値が大きいほど爆発の激しさが増し、被害が大きくなります。 |
爆発限界酸素濃度試験 | 粉じん爆発しなくなる酸素濃度を確認します。 |
着火温度試験 | 粉体がどのくらいの温度で着火するかを確認します。 |